要素技術開発とは?──今あらためて現場で問う要素技術の定義と開発戦略

要素技術開発

要素技術開発とは?──今あらためて現場で問う要素技術の定義と開発戦略

イントロダクション 要素技術ペロブスカイト太陽電池の衝撃

最近、再生可能エネルギー分野で沸騰している話題と言えば、ほぼペロブスカイト太陽電池 一点張りになっています。

この技術の進歩によって、従来のシリコン系太陽電池に比べて、薄く軽量で柔軟なパネルの製造が可能となりました。塗布や印刷技術を用いることで低コスト化が期待でき、都市部のビルの窓や壁など、これまで設置が難しかった場所にも貼り付けられます。

また、エネルギー変換効率も急速に向上しています。原発が再稼働できないので最近イギリスが「卒業」した石炭火力発電にまだまだ頼ってしまっている日本では特に、日本で豊富に採れる要素を原料にしていることもあって、エネルギー自給率の向上に大きく貢献することが見込まれています。

日本の自動車産業は、2030年を目途に、なんと、シャーシ全体に貼り付けたペロブスカイト太陽電池によって発電された電力だけで走る EV を開発中です。今まで日本では、EV を導入してもそもそも電力が石炭で作られているため環境負荷の軽減には必ずしもならなかったところ、この夢のような移動手段がもし実現すれば、文句なしにカーボンゼロが謡えます。

このペロブスカイト太陽電池のような、

様々な製品に応用できる可能性のある技術の「一単位」を要素技術といいます。

その開発は、特に材料メーカーや機械部品メーカーにとって、長期にわたる事業のコア/心臓部といえる課題です。

一度、様々な産業に応用が利く要素技術を開発してさえしまえば、企業は一山あてたも同然のときもありますし、逆に、「かつて当てた一山」がすっかり はげ山 になってしまったので苦しんでおり、次の要素技術の開発を強いられている企業もあるかもしれません。

要素技術開発の矛盾

一方で、要素(技術)開発は、顧客の声を聴きながら事業を徐々に開発していく、スタートアップ的な新規事業開発の手法とは相容れないように見えます。

YコンビネーターのもとCEOマイケル・サイベル氏は、YouTube で学生とこんな会話を交わしています。

マイケル・サイベル:「スタートアップっていうのは、ある問題に対する観察と、それを解決する仮説から始まるんです。科学と同じように、観察のほうがよほど確かで、解決策はたいてい中途半端なものです。(中略) 若い起業家がよくやる失敗パターンは、『この技術を使って何かしたい!』と技術ありきでスタートしてしまうことです。たとえば、『機械学習を使って何かしたい』『NFTで何かしたい』『ブロックチェーンで何かしたい』…「何か」の部分はどうでもよくて、NFTをこの問題に、次はあの問題に…と、NFTを使うこと自体が目的化してしまう。そうじゃなくて、『技術をガッチリ握りしめる』んじゃなくて、『解決したい問題をガッチリ握りしめろ』ということなんです。解決策にはもっと柔軟であれ、ということですね」

学生:「なるほど、(中略) 私、ベクターエンジニアリングを専攻してるんですけど、新しい技術を見つけるたびに、『これって何かの解決策になるんじゃないか』って思っちゃうんですよ。でも、それって間違ったアプローチなんですね?」

マイケル:「その通り。もし技術そのものが大好きなら、研究者の道に進むべきです。その技術の修士号や博士号を取って、専門家になるべき。技術を愛する人のための業界もちゃんと存在しています。でも、技術を「ツール」として使って問題を解決したいなら、その技術に縛られず、本当に解決すべき問題にフォーカスすべきなんです」
出典:Real Talk on Startups, Growth, and Innovation with Y Combinator’s Michael Seibel、拙訳

カーボンナノチューブを発見したNECの偉大な研究者 飯島澄男氏 が、

このカーボンナノチューブが何に使われるのか・その中でどんな顧客課題を解決するのか

明確にイメージして研究を進めたとは思えないわけです。

しかし、そうでなかったとしても、技術者としての同氏の偉大さは少しも損なわれるものではない、というところが、純粋な研究機関とはいえない、営利企業による要素技術開発にまつわる最も厄介な点です。

ありません。本記事では、このような

要素(技術)開発

を製造業が取り扱うさいに最も効果的な方法を解説していきます。

 

そもそも要素技術とは:具体例

要素技術とは

ある製品の中身を分解していったときに、ある時点で現れる、一単位として認識できるパーツ

だと私は定義しています。我ながら少しひねった定義ですね。

機械工学における要素技術

ロボットに例えるのなら、それを分解していったときに、あるところまで分解が進んだら、「アクチュエーター」といった、ひとまとまりのパーツが出てくるでしょう。これをその段階での「要素技術」と呼ぶことが可能です。

なぜこのように持って回った言い方をするかと言えば、

その「アクチュエーター」をさらに分解すると、サーボモーターと、そのモーターの異常を検知する振動センサーやトルクセンサーがそれを支える下位の要素技術として出てくる

というケースがありうるからです。これらもそれぞれ要素技術と呼べるはずです。なぜなら、振動センサーの応用先 applications は、必ずしもアクチュエーターとは限らないことが明らかだからです。かつてのマブチモーターは、このレベルの要素技術のみを提供していた、ということが言えます。

マブチモーターの本業転換の形にはっきり表れているのですが、このような要素技術は、おおざっぱに「このあたりの産業を狙う」、あるいは、化石燃料で走る自動車の部品メーカーのように、特定の個社にのみ販売する、という想定は最初にあれど、最終的に広くいろいろな業界に汎用的に売れる技術を開発したほうが、得られる利益は当然大きくなります。かつては玩具でしか使われなかったマブチモーターのブラシモーターが、汎用化したとたんに髭剃りメーカーに売れたように、「つぶしが効く」からです。

材料科学における要素技術

機械技術よりもさらにわかりやすいのは、化学材料の世界です。冒頭に引用したカーボンナノチューブはその典型です。

材料の場合も、ドンピシャにその通り売れるケースはとてもまれなようです。私のかつてのクライアントであった、売り上げ規模1000億単位の化学材料メーカーの事業開発担当者は、

かつて自分が手掛けた技術開発で、想定された使われ方のみでヒットした例はない

と明言なさっていました。

この逆の事例は、ユニクロに強く請われてヒートテックを開発した東レの例ですが、これは、ユニクロが B to C で膨大な弾数(たまかず)をさばいてくれるという大前提があって初めて可能で、かつ、ユニクロ側から東レに話を持ち掛けたという点で、要素技術開発先にありきのモデルではなかったため、必ずしも参考になりません。

意外な形の「要素技術」

DJIという中国のドローン企業があります。ドローンのエリアでは非常に強い要素技術を持っているのですが、この企業は、実は他社の技術と自社の技術のインテグレーションという、外部からは見えにくいけれど競合他社は非常に真似しづらい別の強み、コア技術も持っています。いわば、応用技術レイヤーに、ある意味で「要素技術」を持っているのです。

当社 (株)StartupScaleup.jp では、ためしに、このDJIの「インテグレーションの強み」を要素技術に見立てて、当社の新規事業アイデア出しソリューション “AIディアソン” を用いて事業アイデアを出してみました。こちらででご覧いただけます。

 

要素技術の開発方針を決めるための2つの視点(今まで良しとされたもの)

さて、より「つぶしの効く」要素技術開発の重要性をわきまえた上で、どのように開発の方向性を決めていくべきでしょうか。ここでは、世間では正解とされる方法について、私の考えるところを述べてみます。

製品やサービスの未来から考える

かつて経済産業省から、「未来ニーズから価値を創造するイノベーション創出に向けて」という文書がでたことがあります。この中に、次のような一節があります:

「高品質・シーズ志向」「出口志向」ではなく、長期的視点に立ち、未来のあるべき姿を主体的に構想し、「未来ニーズから新たな価値を創造するイノベーション創出」に取り組むことが必要

残念ながら、このやり方で、顧客の方から

お願いだから売ってくれ

と頼んでくる大ヒット製品(Product/Market Fit)の要素技術を生み出せる確率は、非常に低いと思います。なぜなら、単純に、未来を予測することは人間技ではないからです。

 

2019年の世界を描いた、「ブレードランナー」(Ridley Scott監督, “Blade Runner”, Warner Bros.配給)という1992年の映画があります。

この映画の中では、2019年には人類はアンドロイドと共生しており、空飛ぶ車がデフォルトになっています。そのようなシュールな未来のニューヨークが描かれている一方で、主人公を演じるハリソン・フォードは、劇中で

紙の新聞をめくっています。

あるシーンにたくさんのディスプレイモニターが出てくるのですが、2025年現在では博物館にでも行かないと見つけることができないCRTモニタの分厚い奥行を誇っています。

とどめに、携帯TV電話が出てきますが、ハードウェアのテンキー(!)がしっかり付いています。

キーボードもついていないのにスマホとして売れるわけがない(爆)

と、2007年リリースの初代iPhoneを評価した、当時のスマホマーケットを寡占していたマイクロソフトの社長、スティーブ・バルマー氏の嘲笑が聞こえてきそうです。

すなわち、人間の発想というものは、そう簡単には飛躍できないのです。誰にでもそこには

現状維持バイアス

すなわち「このマーケットはこのまま進むだろう」という思い込みがあって、「まさか」という事態を、専門家になればなるほど、予見できません。ちなみにバルマー氏に嘲笑された iPhone は、デビューしてから、スマホマーケットの地図を書き換えるのに、5年かかっていません。4年目にはすでに、日本の人口の半分を超える台数を売りさばいているのです。すなわち、

今から5年先までの中計を御社が追いかけている間に、突如として現れたディスラプターが、御社のマーケットの地図を根本から塗り替える

ことが、絶対に起こりえないとはいいきれないのです。

この記事でいま褒めたばかりの NVIDIA にしてからが、省演算パワーの DeepSeek という意外なタイプの伏兵が中国から突如現れたことによって、業界時図の塗り替えに今まさに直面していることを思い出していただきたいと思います。

註:私はオムロンが唱える、SINIC THEORY 未来への羅針盤「SINIC(サイニック)理論」を全面的に否定するつもりはありません。未来学を極めれば、このような長期トレンドが垣間見える、ということは大いにありうることだと思います。思いますが、ここで指摘したいのは、SINICは非常にタイムスパンが長く、かつ、「水素エネルギーがどこまで当たり前になるか」といったようなスペシフィックな予測には使いにくい、ということです。その証拠が、オムロンの事業は中計通りには必ずしもいっていないという事実です。

技術の未来から考える

これも、残念ながら、必ずしも大ヒット製品に結びつくとは限りません。

HDD用モーターは日本電産の主力ビジネスになっていく。HDDサイズも5・25インチから3.5インチ、2.5インチ、13インチと小型化が進んでいくが、HDD用モーターの小型化でも日本電産は世界をリードしてきた。そして時代は下って1990年代後半、私は再び大きなチャレンジの決断を下した。HDD用モーターの新たな軸受けの構造として、流体動圧軸受(FDB) の開発をスタートさせたのである。HDDは高密度化、高容量化、高速化が求められるようになり、精度に限界のあるボールベアリングに代わる構造が必ず必要になると、私は読んだのである。
永守流 経営とお金の原則

これは永守氏その人による、日本電算 黎明期の話です。いかにも正確に技術の未来を予測したように、自伝にお書きになっています。そして、この永守氏の例の前例に倣(なら)いたいと思うことには、二つの意味で、大きなリスクが伴います。

私が永守氏本人に出会ったら、伺いたい質問の一つは、

長い人生の中で予測を外したことが何度もあったと思うのですが、全部教えてください

です。実際には永守氏にはお会いできていないので何とも言えないのですが、おそらく氏は、社長の交代劇などの直近の失敗以外、あまりたくさんは、思い出すことができないのではないでしょうか。

これは永守氏の記憶力が悪いからでは無論なく、心理学が明らかにしているのですが、人間の記憶が、長い年月の間には、

良かった思い出しか思い出せないようになる

からです。

さらにもう一つ、大きなリスクがここにはあります。胸に手を当てて考えていただきたい、永守氏の成功談には胸躍らせるあなたは、永守氏同様、

新しい技術を起ち上げて、予測を外して倒産していった、名もない小企業の社長の失敗談をぜひともたくさん聞きたい

と思うでしょうか?…………このように

成功談は人目を引き付けるから世の注目を浴びやすいが、失敗談は日の目を見ず、握りつぶされる

現象を、「出版バイアス」といいます。永森氏の大成功の裏に、

似たようなことを志して失敗し、涙を呑んで消えていった起業家が、おそらく万のオーダーで存在する

ということを忘れてはなりません。すなわち、予測を外して失敗する方が、はるかに確率は高いのです。

非常にイメージしやすい具体例は、2021年にMetaと自社の名前を変えた企業の躯幹事業は、まだまだメタバースからは程遠い、というものです。

 

要素技術の開発方針を決めるための2つの新しい視点

「未来のあるべき姿」を自分から市場に提案する思考法

では、ビッグテック(GAFAM)たちをぶち抜いてとんでもない時価総額を打ち立てた、革ジャンCEOの率いる独占企業

NVDIA

のようなことは、他社には絶対まねできないのでしょうか?

AIの半導体の市場でシェア98%を誇る独占企業NVDIA

こそ、まさに究極の要素技術企業です。かのイーロン・マスク氏も

どうしてもNVIDAの最新チップがほしい(いくら高価であってもよい)が、信じられないほど入手困難

と発言しており、同社は明確に大ヒット満員御礼状態を達成しています。

同社が、ムーアの法則にしたがって伸びてきたほかの半導体メーカーとも、携帯のチップセットをひたすら高速化してきたクアルコムとも決定的に違うのが、

未来の人間生活は、AIの進化によって、こうなるべきだ、だから我々はこれを開発した

と、どかんと妄想をぶち上げたことです。例えば、2024NVDIAコンファレンスで、ジェンソン・フアン氏は、こう述べています。

私がすでにこの発言で ひんしゅく をかっているのはよく知っているのだけど、あらためていわせてね。プログラミングスキルは早晩いらなくなるよ。実際に我々のロボットは、AIが動作をプログラミングしているしね。

ノートPC、タブレットの出現を、絵に描いて気味の悪いほど正確に予測したコンピューターの父の一人、アラン・ケイの名言に

未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ

とありますが、ジェンソン・フアン氏も、そっくりこれと同じことを言っています。
(出典:ダイヤモンドオンライン「未来を予測する確実な方法とは?アラン・ケイとスティーブ・ジョブズをつなぐビジョナリーワード」)

このジェンソン・フアン氏の思考法、

未来のニーズを予測する

という、現実味ない思考法とは無縁です。さらにいうなら、上に挙げたiPhoneの事例も、

1. ユーザは明確に認識していないが、音楽プレイヤーとケータイを両方とも持ち歩くのは、わずらわしい行為なのだ
2. ユーザによって使いたいアプリは異なる。PC同様、任意のソフトウエアメーカーがケータイの上で好きにいろいろなアプリを提供する方が、端末の使い道は広がるはずだ

というAppleのビジョンが未来に向けて企投(きとう)された結果として

言われてみれば確かにそうだ!

市場の認識が書き換えられただけであり、少なくとも

スティーブ・ジョブズには、未来の市場を予測しようなどという気は全くなかった

はずです。

「アレクサンダー・グラハム・ベルは、電話機を発明したときに市場調査をしたのか?」スティーブ・ジョブズ氏 マッキントッシュを発表したとき、記者の質問に答えて

iPhone は最初から枯れた技術ばかりでできていたので要素技術開発とは無縁ですが、

未来は自分で造る

この考え方は、要素技術においても非常に大切で、いわゆるProduct/Market Fit(行列ができるラーメン屋状態)は、よほどの幸運が作用しない限り、この方法でしか達成できないといっても過言ではないでしょう。大前研一氏は、この「未来を自分で造る」力を「構想力」と呼んでいます。

既存市場が将来「こうなるかも」を予測して新たな要素開発に取り組む思考法

いま、NVIDAとiPhoneの成功事例を挙げましたが、こればかりを志すのは、特に日本の企業では大変困難を伴うと思います。

これは明らかに経営レベルでないとできない、リスクを伴う大胆な、事業戦略のレベルの決断だからです。例えば、「これからは水素エネルギーの時代を我々がつくる!だからそれだけしか研究しない!」などとR&D部門が宣言しても、経営陣がそれを良しとするかどうかは、非常に微妙ですよね。

そこで、次善の策として、

既存事業の市場/自分たちの参入してみたい事業の未来図を、シナリオとして描いてみる

という方法もオススメです。

ここでポイントは、これは未来予測では全くない、ということです。上で述べた通り、それは人間によくなしうることではないからです。

そうではなく、「業界がこう来たら、我々はこう動く」とケース別に対策を練ってみることです。そしてその対策の中に、自分たちが取り組むべき要素開発の姿が浮かび上がることがままあります。

これを行うには、シナリオプランニングという手法をとります。シナリオプランニングは、石油メジャーの一画英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが、これを駆使していくつもの歴史的な節目を言い当ててきたというものです。73年の第1次石油ショックのときも、当時のトップが中東の産油国から流れてきた情報から、起きうる6つのシナリオを社内で極秘に作らせた結果、経営への影響を最小限にとどめることができました。

当社(株)StartupScaleup.jpの生成AIソリューション「インスタントレポート」を用いると、このシナリオプランニングのやり方で、こんなレポート「トランプ2.0下の日本のセラミック業界の予測シナリオ」を作成することができます。このような未来の「あるかもしれない形」(≠「あるべき姿」)を描くと、そうなったときに自社に足りないところがはっきり見えてきて、要素開発で今からそこを攻めておかねばならない、という発想が出てきやすいのです。

詳しくは、この記事「シナリオプランニング:事業アイデア発案に大いに役立つ、将来の不確実性に備える方法」をご覧ください。

要素技術ポートフォリオの設計方法

以上を総括して、お勧めの、要素技術に関する最も実践的なポートフォリオの組み方がこれになります。

以下の四種類の柱を立てて、要素技術を取り扱っていくのです。

  1. すでに御社が備えている要素技術をほかの市場、あるいはほかの使い方へと転用する「用途開発」
  2. (ヒートテックのように)直近で顧客企業からニーズを提示されている技術→開発できたら、すかさず1.用途開発へとシフト
  3. シナリオプランニングの結果出てきた、補填すべき領域での要素開発
  4. 自社で大胆なビジョンをぶち上げ、市場へ働き掛けていくNVIDA型のリスクを取った要素技術

4だけを主張しても、日本の特に大企業の経営陣は、おいそれと承認を下さないでしょう。だから、1と2で確実に中計の目標を達成しつつ、3で経営者を説得して手堅いチャレンジ、機会が許せば4に大胆に打って出る、とするのです。

いまさっくりと書いてしまったのですが、私は、この用途開発がいかに高いハードルを越えないと遂行できないか、誰よりもよく知っているつもりです。いま手元にある要素技術を駆使して、思いもよらぬ事業領域に打って出る「用途開発」については、この記事「シーズ本位の新規事業アイデア出し:なぜプラスチック射出機のメーカーがエアウィーヴに大進化できたのか?」で詳細に解説しました。

まとめ

以上、最も現実的な要素技術の開発方法について、解説してきました。弊社「startupscaleup.jp」では、スタートアップ企業から大企業まで、幅広く新規事業開拓の支援を行っています。事業の拡大や再構築に関する調査の他、事業開発における研究、情報提供、普及活動などもサポートしている実績があります。イントラプレナーとして8度の起業経験を生かしたコンサルティングが提供可能です。

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