「電柱を使ったビジネスを10分で10個考えてください」
事業再生のときは、手元にあるリソース、強みを有効活用せよ
事業再生のときは、手元にある強みを有効活用せよ(富士フィルムの事例) 終わりに
イントロダクション
さて、いきなりですが、今回はクイズから始まります。

富士氷穴(撮影 富岡功)
「電柱を使ったビジネスを10分で10個考えてください」
- 電柱の上の方に持ち物を吊り下げる昇降可能なカゴをつけ、簡易貸しロッカーとする。
- Google maps と連動し、mapを使用してもまだ迷ってしまう方向音痴を 「ちげぇわ、こっちだ、こっち!」 と叱り付ける
- 電柱同士を網で繋げてドローンの落下を防ぎ、任意の場所をドローン特区とする。 ちなみに、太い電柱のルーフトップは、羽休めのできる駐機場をかねる
- Runkeeper と連動し、ジョギングの道中、電柱たちが魅力的な異性の声で応援するほか、 ゴール地点で「ごぉおぉる!」と叫ぶ
- 図々しく歩道を猛スピードで走っている自転車に対して突然枝木を伸ばし、ウエスタンラリアートして、110番する。 罰金五万円✖️違反者数でオペレーションする
- 雷の音が聞こえてきたら、しゃきいいいいん!と上に伸びて、避雷針と化す
- 酷暑の折、Suicaをピッとやると、道沿いの最上部の大傘がバタバタっと開いて、日陰の道ができる
- 「進撃の巨人」の無垢の巨人に、人間を食べる時の箸として貸し出す
- デートの後、どうしても告白できないあなたに代わって、「ねえ、こいつ、君のことが好きなんだってさ。つきあってやってよ」 と電柱がコクってくれる
- 電柱の側面で野菜を育てる。緑化と気温コントロールも兼ね、 下のほうについた野菜は、100円を箱に入れれば買える
- 電柱同士をワイヤで繋ぎ、滑車とモーター付きのカーゴをその上で走らせるUber Eats
- 若い女性が夜道を通る時、道の上に、警察官のホログラムを投影してくれる
- 人感センサーで周囲の人影を察知し、カメラを使わずに、混雑状況をヒートマップ化
- ダイナミックに経路を変えられる電気バスの停留所。高齢でスマホが使えない住民がボタンを押すと、 向かう方向の一致するバスが寄ってきてピックアップ。 電柱なので、バッテリーチャージャーかねる。
- 電柱同士を雲梯でつないで、信号を待ちきれないセッカチさんに、ショートカットをワンコインで提供。 筋トレを兼ねているので、雲梯を降りたところの電柱は、プロティンの自販機を兼ねる
- 迷子の子供に声をかけて110番してくれる
- 歩行禅している人を警策で打ってくれる
- コロナ 感染者が出たエリアに警告を出す
もちろん、大半が、箸にも棒にも掛からぬ事業アイデアです。
⑧なんて、どさくさ紛れに、ギャグをいれています。
しかし、ふざけているように見えて、ここで大事なのは、
という点です。
リーンスタートアップで事業開発をやっていると、
アイデアを大量消費します。 なぜなら、新規事業の成功確率は、
だからです。
顧客に聞いてこれは売れないアイデアだ、となったとき (そしてとくに事業開発開始初期はたいていの場合そうなる)、
短時間でとっさに次のアイデアを切り替えて提示する必要があるのです。
事業アイデアが固まらないうちに顧客インタビューをずっとやっている事業開発の初期段階では
午前中のA社のインタビューで拒否られて企画がおしゃかになったので、
ランチタイムにナプキンの裏にビジネスモデルキャンバスを描き直し、
そのアイデアを午後にアポどりしてあるB社に提示する
といった荒業が必要になることはしょっちゅうです。
こんなときに、なかなかアイデアが浮かばない……とか言っていられないわけです。
ビジネスモデルキャンバスのフレームワークを作ったアレクサンダー・オスターワルダー氏の講演に参加したときも
似たようなワークショップをやりました。
「今あなたの手元に自転車が2台あるとします。
隣の人と組んで(共同創業者)10分間の間に5つの事業アイデアを案出し、
ビジネスモデルキャンバスに描いてください」
お気づきでしょうか? このときの「電柱」「自転車」が、この記事でとりあげた
になります。
ちなみに私が連射したアイデア群を見た師匠は、
「さすがです(笑)」
という反応でした。
事業再生のときは、手元にあるリソース、強みを有効活用せよ
さて。先ほどのクイズの答です。
事業再生のときは、手元にある強みを有効活用せよ(富士フィルムの事例)
名著 Lead and disrupt終わりに

イントラプレナーとして、合計8つの新規事業開発を経験。1,300回に及ぶ顧客インタビューの実施経験を持つ。生成AIによるアイディエーションの世界初のサービスである、「AIディアソン」を、2023年の1月に上梓。それ以降も次々とAIサービスをローンチしている。
翻訳書の発行される前の版の、The Four Steps to the Epiphany (邦訳「アントラプレナーの教科書」、リーンスタートアップの下敷きになった本)を所持するほど、古くから事業開発の方法論を考究。最近はアメリカで最新とされるプロダクト開発のメソッドである、継続的発見(Continous Discovery)手法を取り入れ、エフェクチュエーションと組み合わせて事業開発に応用。
