生成AIをフル活用した新規事業インタビュー実践マニュアル – 2025年最新版

新規事業インタビュー

生成AIをフル活用した新規事業インタビュー実践マニュアル – 2025年最新版

新規事業を立ち上げる際、成功をつかむためには、

  1. 顧客の行動パターンや行動の過程で直面する問題
  2. 顧客が競合製品を含む代替手段をいかに活用し、かつ、それにどれだけ不満を残しているか?

の双方を把握するのがきわめて重要です。

そのためには、いわゆる市場調査業者に頼らずに、自分たちでいかにたくさんの顧客インタビューを(最低でも30人以上)実行するか?がカギになってきます。

それも、顧客インタビューでは、

インタビュー相手のニーズを訊いてはいけない

のです。

累計で1,300回以上の顧客インタビューを実施してきた私が書いた、生成AIの時代にもっとも実践的なマニュアルがこの記事です。

目次 [hide]

新規事業開発でやるべき作業はたった2つ「プロダクト開発と顧客インタビュー」

新規事業を立ち上げる際には、多くの不確定要素と課題が存在します。

特にその中で大切なのは、顧客の行動パターンをしっかり把握することです。

昔から、スタートアップの倒産原因は「ニーズのないプロダクトを造ってしまった」せいだといわれることが多いのですが、これ実は、何も説明していないに等しいのです。

  1. 衛星電話イリジウムの倒産原因は、「そもそも、アラスカやエベレストの頂上から電話をかけたいと思ったビジネスパーソンがあまりに少なかった」からでした。
  2. バルミューダフォンが失敗に終わった理由は、「顧客は、スマホをポケットに入れて持ち歩きやすいかどうかに関して、さほど こだわりを持っていなかった」からでした。

いずれもこのサイトで取り上げている、この二つの携帯電話事業の失敗原因は、「ニーズがなかったから」と乱暴にひっくくることはできても、実態はまるで異なるわけです。

しかし、

失敗原因:事業計画を立てた時点で想像の外にあった意外な行動を、サービスローンチ後、顧客がみなとったから

ということは、はっきり共通点ですよね?

世界において新規事業開発のプロ中のプロである、Yコンビネーターの提唱する金科玉条の一つがこれです。

スタートアップの創業者たちには、2つしかやることがない。プロダクトを開発することと、顧客と話すことだ

事業を本格的に開発し始める前の顧客インタビューは、実は、後々になってこの問題で事業が失敗するのを防ぐために必須の準備なのです。

 

インタビューの目的と、OK質問・NG質問

ニーズを訊いてはならない

新規事業のインタビューでは、ニーズの確認は行わないこと

これが、最も大切な鉄則です。なぜなら、「ニーズ」という、この、およそ定義が曖昧すぎて実務にまるで役に立たない用語は、あまりに多くの場合で、ソリューションの裏返しとして質問に現れてしまうからです。

これは実際にあった話です。私はある、Web広告に関するソフトウェアソリューションのインタビューを受けていました。

プロトタイプを見せられて、このように質問されました。

どんな機能がついていたら、このソフトウェアをお買い上げくださいますか?(←ニーズの確認ですよね?)

私は大真面目な顔で、その当時のブロックバスター映画を引き合いに出して、大真面目な答えました。

そうですね、ベータカプセルみたいに、発光一つでシン・ウルトラマンに変身できるのなら買います。

……私はいちばん誠実なタイプのインタビューイだと思います。

どんな機能がついてたってあなたの提案するソリューションにはとことん関心がないよ、という言いにくいことを、このように直球でフィードバックするインタビューイは極めて珍しいからです。

ここで最も致命的な問題は、私がインタビューアのメンツを考えて適当な機能をその場ででっちあげてしまった場合、

欺瞞のニーズ情報を正しいニーズ情報としてもちかえってしまう

ことです……。

 

顧客の行動パターン(ジョブ/Jobs To Be Done)の把握

インタビューの最大の目的は、顧客の行動パターンと、その背後にある動機を詳細に把握することです。

私は何百という数の事業計画書を読んできましたが、失敗する企画には、ある共通点があります。それは、

事業企画の中で、顧客が仕事する/趣味に没頭する様が、アニメのように「生きて動く」形で描写されていない

というものです。要するに、本当に顧客がいるかどうかよく解らない製品を独りよがりに企画しているのです。

そんなふうに企画されたプロダクト、売れると思いますか?

……だから、顧客の行動パターンを事前に、克明に把握することはとても重要なのです。

このようなインタビューでは、ジョブ理論のフレームワークが有効です(ジョブ理論についての詳細は、「あわせて読みたい」の別記事に譲ります)。

 

行動パターン把握インタビュー:典型的なNG質問

  1. ✖私たちが企画しているこの製品を、あなたなら、どのように使いますか?
  2. △この競合製品を購入する前に、どのような問題を解決しようとしていましたか?

①は、私が聞かれている側(インタビュー相手)なら、すぐにこう考えると思います。「いったい、なんで自分がそんなこと考えなきゃいけないんだ?!」

②は、あなたがiPhoneユーザーだったとして、「iPhone 16 を購入する前にどのような問題を解決しようとしていましたか?」と訊かれたと思ってください、一瞬、回答につまりませんか?
この質問が有効なのは、新規事業開発においてでなく、自社サービス購入後の感想を訊くときなのです。

 

行動パターン把握インタビュー:OK質問

  1. 〇普段、どのような状況で、何が理由で、その特定の作業をこなさないといけないんでしょうか?
  2. 〇普段その作業は、どんなプロセスで、誰とどう関係しながら こなしていますか?段階に分けて説明してください
  3. 〇この競合製品(代替手段)の助けを借りて、普段どのようにお仕事をなさっていますか?

これらにより、顧客の「潜在的なニーズ」や行動パターンを把握し、新たな製品やサービスの開発に活かすことができます。

また、顧客が抱える真の課題を理解することで、より的確なマーケティング戦略を構築できるため、事業の成功に直結します。

 

顧客の問題発見を発見する

上記の「行動パターン把握インタビュー」を実行するときに、

行動をとる途中、どんな局面でどんなストレス(面倒くささ)を感じるか?

ということを突き止めるのが問題発見インタビューです。

このストレス(面倒くささ)に当たるものが、いわゆるペイン/pain(石川明氏の用語で「不」)と呼ばれるものです。

効果的に問題を訊き出すためには、オープンクエスチョンを多く用いることが重要です。ただし、同じオープンクエスチョンでも、フォルスポジティブ(顧客の本音を自分に都合の良いように誤解すること)を誘導しないこと、という絶対条件を満たす必要があります。

 

問題発見インタビュー:典型的なNG質問

  1. ✖ 現在使用している製品にどのような不満がありますか?
  2. ✖ 理想的には、どのような機能があれば助かりますか?
  3. ✖こんなことを不満に思ったことはありませんか?

①は、いま使っている製品に心の底から満足している顧客は少ないので、顧客から出てきたフィードバックは、「そこは修正しても大して嬉しくない」という、どうでもいい不満まで出てくる可能性があります。あなたが女性なら、スキンケア製品について考えると想像がつきやすいでしょう。

②はもっと致命的で、顧客は自分の問題そっちのけで、自分なりの、想像上の解決策を話し始めてしまうからです。

③は、事実上、自社製品へのニーズを訊いているのに等しいです。明らかにこのインタビューアは、「そんな不満がある」と顧客に認めさせるために誘導しています。

顧客インタビューの大目的は、

顧客が自分の行動パターンをファクトベースで描写し、その行動の中のどこに「夜も眠れないような」問題を感じているか?を、告白してもらう

ことであるということを忘れないで下さい。

でなければ、ありもしない問題を問題と認識し、最終的に事業は失敗することになります。

問題発見インタビュー:OK質問

  1. ⚪︎ 普段その作業は、どんなプロセスで、誰とどう関係しながら こなしていますか?段階に分けて説明してください
  2. ⚪︎そのプロセス上のどこで、どのようなストレスを普段感じていますか?

 

新規事業インタビューの効果的な実施手順

私がかつて実施した、

普段インタビューを実践なさっている新規事業開発者の、顧客インタビューにまつわる苦労ごとを探るためのインタビュー

という(メタな)実施例を例に引いて、ステップごとに新規事業のための顧客インタビューの実施手順を詳説していきます。

Step 0. インタビューの目的をはっきりとさせる

意外と、ここをおろそかにしている方がいらっしゃいます。

その結果、

何人かインタビューしてはみたけれど、この議事録って何に使うんだっけ……?

という、笑うに笑えない顛末になっています(それこそ私がインタビューで聞き取った実話です)。

そんなことにならないように、5W1Hで、インタビューの計画を建てましょう。

私の場合の事例です。

  1. To Whom … 新規事業開発ご担当者様の
  2. What … 新規事業開発のための顧客インタビューの苦労ごとを
  3. When … 2か月以内に
  4. Where … インタビューイ(インタビュー対象者)紹介プラットフォーム上で
  5. Why … 当社でいかなる顧客インタビュー支援ツールを開発すべきかを探るために
  6. How … 1 on 1 zoomインタビューで実施する

 

Step 1. インタビュー対象者の選定と募集の仕方

インタビュー対象者の集め方には2通りあります。

  1. セグメントを切って、Meta広告などのWeb広告で、インタビューイ募集のランディングページに集める
  2. インタビューアとインタビューイを引き合わせるマッチングプラットフォームを利用する

私の場合は、②を選択しましたが、これは単に、どう考えても顧客インタビューを実施している方が集まっている場所だから、です。

通常は、①をおすすめします。

なぜなら、

ここで多くのインタビューイが集まるかどうか自体が、サービスが果たして将来ヒットするかどうかの、格好のリトマス試験紙になりうる

からです。

また、②を選択する場合でも、インタビューイに報酬を差し上げるタイプのプラットフォームを使用しては、決していけません。

理由は以下の2つです:

  1. 関心が実はさほどないのに、1万円にむらがる「野次馬」にインタビューしても意味がない
  2. 報酬をもらっている人間の心理として「あなたの構想しているサービスは、箸にも棒にも掛からないですね」と、対象者が正直にいえなくなる

詳しくは、以下「あわせて読みたい」の、エキスパートインタビューに関する別記事を参考にしてください。

 

Step 2.  候補者が決まったら準備する

詳細な質問リスト(シナリオ)の代わりに準備すべきもの

あらかじめ詳細な質問リスト(シナリオ)を、原則用意したりしないことをオススメします。

なぜなら、いったん細かい質問リストを用意してしまうと、そのリストに質問する側の意識がロックし、インタビューで真意を語っていただくのに本当に大切な「盛り上がり」、その場の雰囲気をぶち壊しにしかねいからです。

下手な俳優が、佳境に入ったドラマを棒読みのセリフでぶち壊しにしたときの、しらけた気持ちを思い出してください。

その代わりに必ずすべき準備は、いったんインタビュー対象者が決まったら、

  1. 企画しているサービスが B to B なら、その対象者が属している組織
  2. 企画しているサービスが B to C なら、その対象者の職業

を、Gensparkなどの生成AIをフル活用して調べあげることです。

私が「新規事業開発の顧客インタビューに関する顧客インタビュー」を実施した際も、先方の勤務先の会社の事業内容と、その新規事業の既存例と方向性、プロセスなどを、事前に徹底的に調べ上げました。

これを実施すると、ネットに出ている情報は限られていますから、その隙間を埋めようとして、頭の中に質問が勝手に次々と浮かんできます。

そうした質問の中で、大切なものと忘れそうなものを、私の場合なら議事録として活用している大判のノートに、ポストイットを貼ってメモしておきます。

私が顧客インタビューに関する顧客インタビューを行ったときも、何度か「よく知ってますね」と準備万端ぶりを褒めていただきました。

オンラインMTGの設定

リアルなら場所の選定を、オンラインならオンラインミーティングツールの準備をしておきます。

オンラインならあらかじめビデオ通話の品質を確認、万が一音声が入らなかったときの、電話などのバックアップ回線を用意しておきましょう。

私はずっとZoomを使用しているので、Zoomに搭載されている、文字起こしと要約機能の試験をしておきました。

 

Step 3. インタビュー時の実施

必ず雑談から入る

軽く自己紹介をしたら、いきなり本題には触れずに、最初は雑談から入ります。

すでにあなたは相手の周辺情報を知っているのだから、それをネタにしてまずは話を盛り上げます。

心理学でいうラポール(心理的な相手との懸け橋)をかけ、対象者をリラックスさせるためです。

そしてその後に、あらためて自分の立場と、インタビューの目的や流れを簡潔に説明し、その中で、オンラインなら録画の可否を問います。

 

対象者に自己紹介をしていただく

自分がメモした質問を問いたくてうずうずする気持ちは非常にわかりますが、まずは対象者の自己開示が大切なので、オウム返しで相手を「乗せ」ながら、大いに自分のことをしゃべっていただきます。

B to B のインタビューをしているのに相手が家族の話を始めた、という場合であっても、この段階では特に、絶対にさえぎってはいけません

簡単な話ですーー同じ初対面でも、長年の友人のように感じられる相手と、赤の他人、しょせんビジネス上の付き合いと思っている相手と、どちらに悩みを打ち明けられるようになるか、と言う問題です。さえぎったら最後、下手すると一生、その対象者とはお友達になれませんよね?

ここまでで、1時間のインタビューのうち、10分程度は使ってしまいましょう。

ちなみに私は、話が大いに盛り上がったインタビュー対象者と、何度か呑みに行ったことがあります。

 

深堀をしていく

上に書いた、ジョブと問題を検出していく質問をしていきます。

特に大切なのは、いったん対象者の回答を受け取った後の、丁寧な深掘りです。

・なぜそのように感じたのですか?
・興味があるので、それについてもう少し詳しく教えていただけますか?

といった質問が効果的です。

また、上に書いた通り、感想でなく、必ずファクトを聞き出すよう、気をつけましょう。

・(事実として)それは具体的に、どんな状況で体験なさったのですか?
・(事実として)それは月に何回程度突き当たる問題なのですか?

それから、聞くことがなくなっても気に病む必要はありません。質問の間に数秒の沈黙を保つことで、対象者がさらに深い情報を提供してくれることはよくあります。(ただし、「お友達」に昇格していることが条件です。)

<私が「顧客インタビューに関する顧客インタビュー」実施時にした質問>

・なぜ、インタビューイ(インタビュー対象者)を不正直だと考えたのですか?
・顧客の「いい値」通りの値段をつけたのに売れなかったとおっしゃるそれは、どんな製品にどういう価格帯の値付けを行ったときですか?

具体的なインタビューの進め方と心構え、そして練習方法については、問題発見インタビューについて、おそらくネット上で最も詳しく扱った、この記事の最後の「あわせて読みたい」の記事をご参照ください。

Step 4. インタビュー後のフォローアップ

インタビュー後のフォローアップは、得られた情報を最大限に活用するために欠かせません。

何より大事な対象者へのフォローアップ

忙しすぎるのか、プライドが高すぎるのか知りませんが、インタビュー対象者へのフォローアップを行わないインタビューアが散見されます。でも、そんな、最低限の礼儀すら守らない、顧客のことを考えない人が作るサービス、果たしてヒットするでしょうか?

メールで感謝のメッセージを送ることで、良好な関係を維持し、将来的な協力も得やすくなると言うものです。

自分自身に対するフォローアップ

毎回、自分自身のインタビューアぶりを振り返る必要があります。

この記事末尾の「あわせて読みたい」に記載したインタビュースコア表を用いて、自信のインタビースキルをチェックしましょう。

 

Step 5. インタビュー結果の分析

インタビュー結果の分析と活用は、新規事業成功の鍵となります。

生成AIが登場してこの方、このプロセスは、圧倒的に簡略化できるようになりました。

私の場合なら、まずは、以下を生成AIに格納します。

  1. インタビューしながらビジュアルに再録した議事録(インタビューアの「気づき」付き)
  2. Zoomによるまとめ
  3. 録画OKの場合は、録画内容をGeminiで文字起こししたもの

RAGを使用してもいいのですが、テキストや画像を ChatGPT のGPTsに読み込ませ、テンパレーチャー(データへの忠実度)を0.1にセットして引き出すほうが、簡単です。

コマンドプロンプト欄で、「お客様がこの作業をするときの標準的なジョブマップを、あらかじめAIの内部で描いておいたうえで、ユーザーの質問に答えて」とコマンドしておきます。

ここまでやってしまえば、新規事業開発に必須の洞察、気づきを得るのはとても簡単です。

  1. お客様は一般的には、どんな手順、プロセスでこの作業を進めているか?
  2. その作業プロセスのどんなところでいちばん困っているか?
  3. 我々がこんな機能を開発したら、それをお客様はどう思うか?

をファクトベースで答えろと、「生成AI上のペルソナ」に指令していけばいいだけです。

ちなみに私が「顧客インタビューに関する顧客インタビュー」を実施した結果を踏まえて書かれたのが、ほかならぬこの記事です。

 

インタビュー結果から導かれる課題と対策

インタビュー結果から、顧客の潜在的な不満や現行製品・サービス企画の改善点が見えてきます。

これらの課題を整理し、具体的な対策を講じることが不可欠です。

新規事業のアイデア創出に役立つインタビュー

インタビューは新規事業のアイデア創出に大きな役割を果たします。

インタビューを通じて、今までの事業企画では到底想像もつかなかった、新たな「顧客のニーズ」が洞察としてえられることがままあるのです。それが理由で、「あなたの想定するニーズは訊かないで」とくぎを刺したのです。

事業再生(既存事業の見直し)活用するインタビュー

インタビューは、新規事業のみならず、既存事業のアイデアや仕様を見直すための重要なツールとなります。

いわゆる「市場のニーズ」と呼ばれているものは、顧客インタビューを実施している、その間も刻々と変化しています。その上で、現行の事業戦略や製品開発プロセスを見直し、必要に応じて方向性を修正します。

マクドナルドのカサノバ社長(当時)が事業再生をかけてインタビューを実施したときに得られた、顧客が本当に求めていたものは、単に食品衛生法に準拠するようにプロセスを改善しましたと宣言することだけではありませんでした。

そもそも店舗を外観したときに、ぱっと見のイメージで「いかにも清潔な、キレイな店だ」と認識することだったのです。

顧客インタビューの実施例

成功事例1: 株式会社エアークローゼット

株式会社エアークローゼットはユーザーインタビューを活用して成功を収めた代表的な企業です。

同社はオンライン衣服レンタルサービスを提供しており、サービス開始前にはターゲットユーザーに対して深掘りインタビューを実施しました。

このインタビューの中で、ユーザーはどのような場面で新しい洋服を求めるか、予算やデザインに関する具体的なニーズを明らかにしました。

エアークローゼットはこれらの情報を基にサービスモデルを設計し、ユーザーがさまざまなシチュエーションで利用できる幅広い選択肢を提供しました。

また、定期的なユーザーインタビューを行い、サービスの改善点や新たなニーズを把握し続けた結果、ユーザー満足度を高めることに成功しました。

このようにしてエアークローゼットは、顧客中心のビジネスモデルを構築し、競争の激しい市場で成功を収めています。

成功事例2: Airbnb

Airbnbもユーザーインタビューを駆使して、成功を収めた企業の一つです。

Airbnbはもともと、ホストとゲストをつなぐプラットフォームとしてスタートしましたが、初期段階でホストやゲストに対し綿密なインタビューを行いました。これにより、プラットフォームの使い勝手や、どのような宿泊体験が求められているかを理解することができました。

インタビューから得られたデータを元に、ホスト向けのサポートや、ゲストが安心して利用できるための信頼性向上機能を追加しました。具体的には、レビューシステムの整備や、24時間のカスタマーサポート体制を導入するなど、ユーザーの声を反映した改善を行いました。

この結果、Airbnbはユーザーの信頼を獲得し、利用者数が飛躍的に増加しました。ユーザーインタビューを通じて得た洞察を活用し続けることで、多様なユーザーのニーズに対応し、グローバルな成功を収めています。

まとめ:新規事業インタビューのポイント

新規事業インタビューは、新規事業では避けて通れないプロセスです。インタビューの準備から実施、そして結果の分析まで、体系的なアプローチが求められます。

インタビュー対象者の選定と適切な質問は、正確なデータ収集に直結し、実施時の聞き手の態度や質問の仕方は、本音を引き出すためのかなめです。

インタビュー結果はそのままにせず、整理し直して事業アイデアの見直しに使用します。

最後に、インタビューの全ての段階で継続的な改善を意識することが重要です。

インタビュー技術の向上と繰り返しの見直しが、新規事業の成功をさらに引き寄せる要因となります。

 

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