私は AKB48 往年の大ヒット曲
恋するフォーチュンクッキー
のyoutubeを見ていて、次第にイライラしてきました。
そして気づいたのです、これは石川明氏のおっしゃる
苦
にほかならないのではないかと。
私がAKB48の大ヒットの理由を探り当てた瞬間でした。
1. AKB48がずば抜けた「DXのサービス」である理由
もともと私はAKB48にはさっぱり関心を持っていませんでした。
それがにわかに同アイドルグループが秀逸な
に見えてきたのは、コンビニでAKB48新聞を目にした時です。
いろいろ工夫しているな、と思ったのです。
私の若い頃から、多人数のアイドルグループは存在しました。
多人数のアイドルグループの「価値提案」は、その昔から、
- 自分の好みの推しを選んで応援できる。
- メンバーが常に入れ替わるので「新陳代謝」が起こり、常に若い。
というもので、これは私の若い頃のアイドルグループとAKB48の間に、特段差はありません。
AKB48をプロデュースしたAKSという会社の卓抜なアイデアは、しかし、これにはとどまりませんでした。
同社は国民一人一人がスマホを持っているという環境をフルに生かして、いわば
に成功したのです。
私が「恋するフォーチュンクッキー」のミュージックビデオを見ていてイラついたのは、
その動画の中心に映っている時間が、当時の人気投票の結果に従って絶妙に?意地悪く?メンバーに割り当てられており、
動画を見ていて私が
とおもったメンバーは順位が下り坂に差し掛かっていたため、ちらりと映して素通りするのみで、
センター指原莉乃さんをはじめとした当時の人気トップ3ばかり、しつこく映していたためでした。
というファンの気持ちが、ありありとわかったのです。
「サービス」としてのAKB48の導入したまったく新しい価値提案は、
という、私が若い頃は実現不可能だった、デジタルなメカニズム、つまりDXでした。
そして、AKSは、この選挙権を販売しているのです。
このメカニズムによって、顧客は、あることを思い出してしまったのです。それは
という事実でした。
私の友人の女性に、特定のロックバンドのCDを、新しいものが出たら毎回何十枚も購入する熱狂的なファンがいます。
しかしこれは、本人も、意味のない、自己満足しかもたらさない行為だと
100%承知の上でやっているのです。
しかし、AKB48は全く事情が違う。
リアルタイムで総選挙に参加すると、投票をすることができるので、そこに手ごたえが生じます。
さらに、投票数を増やしたいという野望に燃えた熱心なファンは、
知り合いを誘って、投票させようとします。すなわち
で、ファンの数はガンガン増えていくのです。
これが、もちろんメンバー一人一人の魅力あっての話ではあるものの
としてのAKB48がぶっちぎりの人気を博すに至ったギミックでした。
2. サービスを設計するのに顧客のペインは必須か?
顧客の顧客のペイン/お困りごとがすでにそこになくても、売れるサービスは構築できる
たかだかアイドルグループに学ぶべきことなどない……と思われたあなた、大変損をなさっています。
よく考えてください。AKB48は、そのサービスによって、
のです。これは、サービスに爆発的ヒットをもたらす、とんでもない仕掛けです。
企業によっては、新規事業開発のご担当者に
と指令する会社がありますが、ちょっと冷静に思い出していただきたい。
iPadがAppleから上梓されるまで、
という、珍妙なペイン抱えた顧客っていましたかね?
また、Airbnbが流行する前に、
というペインに苦しんでいる人がいたら、私なら
と感心していたと思います。
火の誕生にペインってかかわってましたか?
原始人類は、一日に五時間も口の中で生ものを咀嚼し続けていました。
すなわち、食事に要する時間が5時間。
火を使うことを覚え食事の時間が激減し、消化に使うエネルギーをほかに回せるようになった人類は、
同じく莫大なエネルギーを消費する脳を巨大化させていきます。
原始人類が、おそらく山火事などを見て火のメリットを知り、
それを利用し始めたとき、そこにあったのは、
という、事実だけです。
ここには
というニーズ(?)はもちろんありませんし、
そもそもこの咀嚼の活動に、最初からペイン/苦痛を覚えていたとは、とうてい思えないわけです。
むしろ
と楽しんでいたのではないでしょうか。
ここでポイントは、以下です:
従前はペイン/苦痛を覚えていないときの方が、大ヒットするサービスを出せる確率は飛躍的に高くなる
肝心なのは、ミトコンドリアイヴを含めた人類が、遂行しなければならない(遂行できたらいいな、ではなく)
を、いかにスムーズに・摩擦なく、サービスが推進させるか、その一点だけです。
参考文献:ユヴァル・ノア・ハラリ 著, 「サピエンス全史 上下合本版」, 河出書房新社刊
3. AIディアソンが圧倒的にスムーズに遂行させるジョブ
弊社が提供するサービスに、
というものがあります。
いま大ヒットしているサービスなのですが、
その理由を、ジョブマップを用いて分析してみます。
以下は私がかつてインタビューした、
を自称なさる、ある新規事業開発担当者が話してくださった、
事業アイデアが生まれるまでのプロセスです。
このさすらいの技術研究者さん、非常に優秀なアイデアパーソンで、
すでに何十個ものテーマの案出に成功なさっています。
- 定義
事業開発事業アイデアを思いつきたい技術をなんとなく選ぶ。
というのは、ご本人曰く、途中で変わることが多々あるからだそうです。 - (情報)収集
自社の技術のみならず、本やメディアから、
莫大な量の、ある意味無作為な情報を広く収集。
また、スタートアップと人脈作ってリアル情報を集める。
(いわゆるオープンイノベーション狙い) - 準備
情報を咀嚼(消化)する。
資料を咀嚼して理解し、見る方向を定めたり、意味を探し求める。
嫌になるまで咀嚼し、味わい尽くす。 - 確認
発想に必要な情報が揃っているかを確認する。 - 実行
新しいコンビネーションを生み出すために考え続け、情報を熟成させる。
ついに閃く!→アイデアのメモ。 - モニタリング
閃くため自分のメンタルをメンテ。
たまに好きなことに没頭しているとき/風呂に入っているときに、ぱっと「実行」できるときも。 - 改良
必要に応じて情報収集し直す。
いろいろな情報の結び付きを網羅できているかを確認、試行を繰り返す。 - 決着
メモを事業企画に昇華する。
AIディアソンがこれをいかに効率化するかをジョブマップに沿って説明すれば、
それがベストセラーになりつつある理由がわかります。
- 定義
事業開発事業アイデアを思いつきたい要素技術をご選択、弊社に提供いただく。 (情報)収集
(すでに生成AIが膨大な教師データを持っているので、必要なし。)準備(生成AIのコマンドプロンプトが代行するのでここも全く必要なし。)
確認
(生成AIにとって不要、必要なし。)- 実行
人間だといかに優秀でも事業アイデアを閃く頻度はとてもまれになるが、
AIディアソンは、そのアイデアの良し悪しはともかく、毎分一つ連射する。 モニタリング
(ここも全く必要なし。)- 改良
万が一アイデアが陳腐なら、オペレーターがもう一度エンターキーを押すだけ。 - 決着
AIディアソンの事業アイデアは出力された段階である程度企画書の体をなしている。
あなたもご自分のサービス開発業務で、ジョブマップを活用してみてください!