陳腐な新規事業アイデアを、成功事例に基づいたスジのいいアイデアに生まれ変わらせるためには

陳腐な事業アイデアをSHIFTで生まれ変わらせた

陳腐な新規事業アイデアを、成功事例に基づいたスジのいいアイデアに生まれ変わらせるためには

正直に言いますと……

「上司に成功事例を持って来いって言われる」
「上司にスジのいいアイデア持って来いって言われる」

系の相談に対しては、

野良開発で頑張ってくださいね(一刻館管理人の響子さん(古い……)ふうに)

程度の励まししか、助言として申し上げられておりませんでした。

それが去年からもっと効果的な問題解決法をお勧めできるようになったので、

非常にうれしく感じる今日この頃です。

この方法を用いれば、

1. 成功事例があり、スジの良さをしたがって証明できる
にもかかわらず、
2. 成功事例だらけのレッドオーシャンを狙わないで済む
という、虫が良すぎるほどの条件を満たした
イケてるビジネスプラン
を、あなたも組み立てられるようになるのです。

えっ、今さらフードデリバリっすか……?

私かつてあるインキュベーターの、顧客インタビューに関するセミナーに参加していて、驚愕したんですよね。

課題インタビューのときはこちらの事業アイデアをおくびにものぞかせちゃダメ(?!)
↑イミフ…………

とか、インタビューに関してもちょいちょいトンデモは語っていたんですが、

そこは今回はポイントと違いまして、

実際に事業開発を支援している事例として、よりによって

フードデリバリ

を出してきやがったんでね。

あー、終わってんなー、このインキュベーターって感じです。

なぜなら、いまからフードデリバリに「参入」するのは悪手中の悪手で、

インキュベーターなら全力でアイデア段階で開発を諌止すべきだからです。

2020年8月17日の日本経済新聞に、

「食事宅配大競争、ウーバー・出前館をスタートアップ追う」

という記事が載りました。

タイトルを見た瞬間私が思ったのは、

「日本のフードデリバリ業界にいまいるプレイヤーのいくつかは、早晩撤退においこまれるだろう」

でした。

私の悪い予想はあたってしまい、

いくつかのプレイヤーはたちまち撤退に追い込まれました。

サービス 提供企業 狙いなど、特記事項
DEMAE-CAN 出前館 業界最大手。LINEの子会社となり、「LINEデリマ」とブランド統合。
menu menu もともとはテイクアウト可能な飲食店がわかるアプリ。加盟店数で出前館を追い上げ。
Uber Eats Uber Technologies 基本配達料の定額制を導入。
Chompy シン きちんと配達してくれるかどうかを気にするユーザ向けのサービス。
2023年5月に事業を停止。
Wolt DoorDash 他のプレイヤーとは異なり、仙台から日本に参入し、地方都市で段階的に展開中。首都圏では唯一埼玉でサービスを展開。アルコールのデリバリも行う。
Dデリバリー NTTドコモ 2014年5月にスタートし、コロナ禍真っただ中の2021年1月にあえなく撤退。
楽天デリバリー Rakuten ぐるなびとのシナジー効果と楽天ポイント商圏の拡張狙い。
foodpanda foodpanda ドイツのフードデリバリ大手だが、日本は撤退。

出前館が赤字なのは、明らかに、

あまりに競合が多いから値段が上げられず、かといってギグワーカーの給料も下げられず消耗戦を強いられている

からです。

フードデリバリという「陳腐事業」を「新規事業」に生まれ変わらせる

しかし、ここでこの陳腐な事業アイデアを

Foor delivery service returns

という感じで、一気に生まれ変わらせる方法があるのです。

このところずっと取り上げてきた

SHIFT

を使えばよい。

 

まず、フードデリバリという「真っ赤っ赤オーシャン」の事業アイデアの

背後に潜むバイアスを取り出します。

 

私は以下の2軸で分析してみました:

(1)宅配ベクトル

(2)だれが料理を作る?

 

いまの陳腐事業アイデア「フードデリバリ」は、

(1)宅配ベクトル=『レストラン→顧客』

(2)だれが料理を作る?=プロの料理

ですね。

 

こやつらをちょちょいとひっくり返すと、あら不思議、

(1)宅配ベクトル=『顧客→レストラン』

(2)だれが料理を作る?=素人の料理

となりますね。

 

はい、あっという間に(キャッチ画像参照)

【キッチンのない『ゴーストレストラン』】
客がレストランに来て、配達可能な地域に住む、一般家庭の
ギグ・コック
の創った、バラエティー豊かな、そのときそのときでメニューが変わる、
しかも一品ものの家庭料理を楽しむ

というサービスが出来上がりました。

レストラン側にはまあ、お酒程度を用意しておきましょうか。

 

この企画、稟議通りやすいはずです。

理由1. フードデリバリ業界という、「成功事例」のパクリといえなくはない

理由2. したがって市場規模の算定およびターゲットの地域の選定が容易う
↑私なら、DoorDashの狙った地域を狙いますね。

理由3. しかも、なんと、「家庭料理のあまり」というフードロスを抑える副次効果あり!

 

そして、少なくても私がググった限り、

このサービスを大々的に展開している業者は、

少なくても日本にはまだいない。

したがって、

いまならお買い得のブルーオーシャン。

もう、ビジネスモデル特許とっておこうかってくらいの(?)秀逸なアイデアだと自己満足。

どうやったらSHIFTできるのか?

ここで、このメルマガをお読みの優秀なあなたは、気づくはず。

いやいや、そもそも軸が毎回発案できるとは限らない、そこが苦労のしどころ

はい、その通りで、濱口秀司氏のSHIFTの批判すべきポイントの一つが

濱口さん、誰でもこのSHIFTができるって嘘やんけ!!

でした。

 

ところが、おととしから、誰でも可能になったのです。

そう、ChatGPTが登場してしまったから。

だから、SHIFTの考え方をコマンドプロンプトで教え込んでいただき、

フードデリバリをSHIFTしてね

と入力してください。

誰も簡単にこの軸が発見…………できるとは、まだ限りません。

ChatGPTは超・(学校)秀才ではありますが、天才に原理的になれないのです。

すなわち、世の中のすべてをひっくり返すようなアイデアは出せない。

GPTのPはPre-trained(あらかじめ教育された)のP。

この人は生まれつき、事業アイデアに関しては、

バイアスまみれの、ごみのような教師データばかり貪り食って大きくなってきたので、

斬新なアイデア出せといくら厳命しても、無理なのです。

それは普通の人が「スジのいいアイデアだせ」と命じられても

一向に出てこないのと、原理的に全く同じ。

 

そこで、この

超・秀才にしてアイデアにかけては究極の凡才

に発想法を教えこむため、

(1)SHIFTの事例をたくさん入力する

(2)それを、パースのアブダクションで解釈するやり方をこんこんと説く

必要があります。

 

次回はそのやり方をお伝えしましょう。

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