マクドナルドはなぜ外食産業で無双を誇るようになったのか?
マックの陰の立役者フライドポテト
マクドナルドのビジネスモデルとは?
事業転換のカギ:事業コアは他社に絶対に負けないもの
BREW DOGの種明かし「やれるもんならやってみな」
BREW DOG はどうやって自分の強みを獲得したか?
「幕の内弁当」は世界のベストセラーにならない
イントロダクション
昨年12月からつい先日まで、マックのフレンチフライ/(フライドポテトというのは和製英語)が、
ショートサイズしか入手できなくなりました。
ニュース記事をあさってみると、アメリカから輸入できなくなった、とのこと。
このことを知った管理人は、
MacDonald’s/マクドナルドが創業当時から営々培ってきた、
が隠れていたからです。
事業コア=強み:マクドナルドはなぜ外食産業で無双を誇るようになったのか?
マックの陰の立役者フライドポテト
COVID-19禍の日本の外食産業は、ケンタッキー・フライド・チキンと日本マクドナルド二社の「二人がち」の状況でした。
両社ともに、COVID-19禍のはるか前から、to go/ テイクアウトの需要にフォーカスしていたためです。
日本マクドナルドは、いかにファーストに食べ物を届けるか?というところにフォーカスすると同時に、
猫の目のようにくるくるとメニューを変え、最も収益の上がるメニュー体系を常に実験的に探っています。
日本マクドナルドのメニューを注意深くたどっていくと、
例えば、米の飯を使ったメニューが出てきては消え、出てきては消え、していて、
決して成功ばかりではないことが知れます。
しかし、藤田田創始の日本マクドナルドどころか、米国のマックがまだ
(↑マジでこのような SIer チックな名前でした)
を名乗っていたころから、いくつかのメニューは不動です。
その中の雄が、言わずと知れた
です。
日本食の漬物みたいな位置づけで、目立たないのですが、このフライドポテトの重要性は、
マックの祖国アメリカでマック以外のハンバーガーショップに入るとよくわかります。
もう十何年も前の話ですが、そうしたお店に始めて西海岸で入った私は、
でかいハンバーガーの添え物としてポテトチップスの袋一袋がドカンと出てきて、驚愕しました。
これでは、成人病になるなというのが無理です。
むろん、残してしまいました。
その後帰国して日本マクドナルドのフライドポテトを食べた私は、
量も適当だし安心の味だなあと思ったものです。
マクドナルドのビジネスモデルとは?
そしてこの安心の味こそ、MacDonald’s Systemがスケールした理由のうち強力なものの一つなのです。
その強みは、実は、フライドポテトを単体としてみた時の味そのものだけでは説明がつかないのです。
マックを事業の視点から見たとき、消費者からは見えにくい構造があります。
この記事に書かしていただいた通り、日本マクドナルドはその実に3分の2の店舗がフランチャイジーであり、
したがって、我々にはピンときにくいが実は
- 尖ったところがなく、いくらでも食べられてしまう美味しさ
- どの店で食べても一緒
- 昔から変わらない味
の3つの条件を同時に満たしていることなのです。
この三つがそろって初めて、安心できるほっとした味と消費者が感じるのです。
この条件がすべて満たされない限り、フランチャイジーに訴えかける誘因がありません。
MacDonald’s Systemは、この3条件をみたすため、
創業時10年間に実に300万ドル(当時のお金なので、いまでは恐らく一桁上)もの
(中略)フライ鍋の温度を定めても、揚がり具合は鍋の中の油の温度にあまり関係のないことがわかった。
(中略)ターナーは各種のフライ鍋に最適と思われる温度を決めてみたが、
同じ種類のポテトを同じ温度で揚げてみても、中まで揚がっているのと外側は焦げたが中はナマという違いが生じた。
(中略)経験により、ターナーとカロスはその秘密がポテトの貯蔵処理と関係あることに気付いた。
(中略)配達後すぐに調理したものより、地下室に長く寝かせたほうが美味に揚がることもわかった。
貯蔵の研究を進めていくうちに、フレンチフライ用のポテトは糖分が澱粉に変わるための猶予期間として三週間は貯蔵すべきことを突き止めた。
現在ではファーストフード業界の常識になっている情報である。
出典:
だから、日本マクドナルドも、アメリカからわざわざポテトを輸入していたのです。
ちなみにアメリカのマクドナルドは米国でも随一のジャガイモ消費量を誇り、
その圧倒的なバイイングパワーでコストを抑えています。
こうして全フランチャイジーで顧客が等しく楽しめるようになった安心の味は、
そのバイイングパワーと相まって、
MacDonald’s Systemの事業拡大の
を回す大いなる動因となります。これは無双の
事業転換のカギ:事業コアは他社に絶対に負けないもの
BREW DOGの種明かし「やれるもんならやってみな」
もう一つ、新聞ネタを。
BREW DOG/ブリュードッグがアサヒと組んで、UKから大挙して日本に入ってきました。
酒好きの気の早い友人などはコアな製品の流通に強いスーパーなどでとうの昔に入手して飲んでいたそうなのですが、
管理人は今回のこの黒船来航で、ようやく、ここのIPAを飲むことができました。
UKには何度も渡航しているのですが、不思議とこのエールには縁がなかったのです。
独特の深いコクがあって、ちょっと酸っぱいような不思議な味で、
UKに出張したときでも、こんなIPA飲んだことがないです。
ところが、酒に非常に詳しい友人曰く、なんと、このBREW DOG、
さっぱり見当がつかない??
という、全世界の酒造メーカーへの挑戦状なわけですね。
BREW DOG はどうやって自分の強みを獲得したか?
「幕の内弁当」は世界のベストセラーになるか?
- BREW DOG の特殊なレシピのビールの大量生産のノウハウ
- マックの、フライドポテトの美味をどの店舗でも等しく提供できるノウハウ
であるわけです。
ほとんどの日本企業は、互いにまねし、押し合いへし合いをしている。
各社とも、ほぼあらゆる種類の製品、機能、サービスを提供しており、
またあらゆる流通チャネルに対応し、どこの工場も同じようにつくられている