イントロダクション(読み飛ばして差し支えないです)
Inditex/インディテックスの誕生秘話
ZARAのアパレルは顧客開発ランチパッドで生み出されている
ZARAの、究極のリーン生産方式
ZARAの、リーンなDX
イントロダクション(読み飛ばして差し支えないです)
オミクロン株登場前に、ビジネスモデルの取材がてら、あるアパレルショップにいってびっくりしました。
普段全くテレビを見ない私でも知っているジャニーズの方がモデルのポスターが貼ってあったのですが、
いや、コーデがひどいのなんの…………
使用している色に統一性がないし、その当時のトレンドから言って、
着用がご法度とされていた黒や、濃い原色が入っていたのです。
その当時のトレンドではお洒落な色は
でしたから、冗談だろとつぶやいたほどギャップが大きい。
よくこんなポスターを、よりにもよって、アパレルショップに貼ったなあ、ともはや感服しました。
(ちなみにこのブログの私のプロフィール写真は2,3年前の合格水準で、恥ずかしいのですが、
この状況かでうっかり写真館にも行けないので、我慢しているという…………。)
誰よりも本人がかわいそうです。どんなにイケメンだって完全に台無し、
むしろイケメンほど、本当にモテる女性の目には痛々しく映ります。
私だったらこのスタイリスト、クビにしますね。
私の周りの若くておしゃれな女性はほとんど例外なくジャニーズに関心が全くないのですが、理由は、
日本国内のポスター/雑誌でおしゃれとされている男性のコーデは、ことごとく的外れもいいところなのです。
そして厄介なことに、日本国内のおしゃれな女性は、欧米でおしゃれとされているトレンドを、
Inditex/インディテックスの誕生秘話
美容院でファッション雑誌を眺めているのではなく、
さっさと街にでて(get out of the building)女性のコーデを観察したり、女性に直接インタビューしろ
市場をデスクトップリサーチするのではなく、
さっさとオフィスの外にでて(get out of the building)顧客の行動を観察(ビジネスエスノグラフィ)したり、顧客に直接インタビューしろ
街中やショップの現場から吸い上げた情報に基づいて、期中に早いサイクルでどんどん新製品をデザイン、少数ロット生産、売れたもののみ追加生産しよう
できたそばからMVPを限られたマーケットに投入、受けが良かった部分を研ぎ澄ませていこう
ZARAのアパレルは顧客開発ランチパッドで生み出されている
ZARAを筆頭とする世界で最も売れているブランドをもつ
Inditexの組織体制はおよそ直観に反する奇妙なものになっています。
全てのカントリーマネージャの席が、風光明媚とはいえはっきり言って片田舎の、
ガリシア州ア・コルーニャ県アルテイショにある同社の本社にあるのです。
いいえ、読み間違いではありません。
のです。
カントリーマネージャの役割は、オンラインオフラインで自国とスペインを行き来することにあります。
渋谷の街を行きかったり渋谷の店舗に入店してきたお客様のコーデを観察したりして、
どの製品のどの部分がどのようなトレンドに訴求できているかを最もよく知っている渋谷の店長から、
日本のカントリーマネージャは渋谷の情報を得ます。
そうして刻々と変わりゆくトレンドの情報を現場から直接すいあげ、それを携えてスペインに戻ります。
スペイン本社には、約1000人のデザイナー部隊が待ち構えています。
このデザイナーたち、確かに
全世界からカントリーマネージャたちがもちかえってきた山のような
に基づいて、ここから年間2万点もの新商品を生み出していきます。
センター内の模擬店舗に商品を並べて、どう映えるか確認する。狙うのはどの国でも売れる商品。
「商品分野によってはアイデアから商品化に至るのは10%程度」という厳しさだ。
出典:「最速ファッション、ZARA丸裸、最強アパレル、スペイン本社ルポ、「店舗が起点」本部即応、トレンド、2週で商品化」2017/05/26 日経MJ(流通新聞)
ZARAの、究極のリーン生産方式
このとき生産・調達担当が、どの素材を使い、どこで作れば、
期中の適切な時期に店頭へ供給できるか見極め、商品化します。
ここまで出典:繊研新聞
そしてこの生産をつかさどるシステムこそ、
アニマル柄や花柄など多くの選択肢を準備しておき、店から吸い上げた情報をもとにシーズン中に企画・生産する。
そのため期初向け商品を担当する部隊とは別に、期中生産専門の部隊を設けている。
出典:最速ファッション、ZARA丸裸、最強アパレル、スペイン本社ルポ、「店舗が起点」本部即応、トレンド、2週で商品化。2017/05/26 日経MJ(流通新聞)
Inditexがアパレルのジャイアントになったのもむべなるかなです。
ZARAの、リーンなDX
Inditexは、DXもリーンなやり方で進めています。
同社ではZARAアプリにストアモードを導入しつつあります。
このアプリのストアモード、欧米で普遍的になった
や、スキャンした商品を家に持って帰ってゆっくり見る機能などが満載されています。
同社は全世界にZARAアプリのストアモードを導入する前に、
まずは東京を含めた世界の数都市で実験を進めています。
ということは、これもMVPということです。
イリジウムには、全世界一斉ランチにこだわって失敗した面があります。
Small Start => Fail Fast にこだわり倒すInditexのやり方には、
日本の企業が大いに参考になるところが含まれていると思います。
(正直、アプリに関していうと、ユニクロのほうが先に進んでいると思います。)