用語集

[キ]

疑問手

将棋/囲碁において、主たる敗因となりかねない致命的な悪手ではないが、明らかに形勢を損ねることになってしまった手を指すが、
本ブログでは、事業開発における打ち手の中でProduct/Market Fit達成に結びつけるのが難しいと管理人が思う企業の動きを指す。

[セ]

線形(汎用)プロダクト開発/Linear (general) product development

プロダクトアウトは、最初にこれを製造すると決め、売れるか売れないかはともかく、
とにかく出してみる、という方式を漠然と指すが、
スティーブ・ブランク氏によるこの言葉の定義はより厳密である。
大きくは、以下の順番にフェーズごとに活動が行われ、大きな逆行は許されない事業開発のプロセスを指す。
(1)ビジネスプランのフィックス→(2)プロダクト開発→(3)αテスト・βテスト→(4)ランチ→(5)PR,セールス活動
日本人が「プロダクトアウト」という言葉から想起する活動からは乖離のある、以下の活動も含まれる。
①MRDの作成 ②市場調査と潜在顧客(デプス)インタビュー ③ブランド戦略作成
いわゆる「イノベーションマネジメント」とやらによるポートフォリオ管理は、典型的な線形プロダクト開発である。
なお、スクラムなど、アジャイル開発で、この線形プロダクト開発を行うことは可能であり、
というか、今日もどこかで行われているのであり、
リーンスタートアップメソッドを創始したエリック・リース氏自身が、
創業に加わった3社目のスタートアップIMVUは、彼がCTOとして率いた開発チームが
スクラムで線形プロダクト開発し、一度大失敗している。

[チ]

チャプター11

事業再生前提の破産

[フ]

プロダクトアウト(和製英語)


最初にこれを製造すると決め、売れるか売れないかはともかく、とにかく出してみる、という方式を一般的には指す。
線形汎用プロダクト開発/Linear general product development の訳ではないかと思われる。
思われる、というのは、プロダクトアウトには、線形汎用プロダクト開発と異なり、
事実上、かっちりと固まった定義を、管理人が知らないから。
テイクアウト/イートインよりも、さらに英語センスを欠く、でっちあげである。
なぜなら、product は動詞ではないから。

[へ]

ベンチャー/venture

スタートアップであろうが、大企業の新規事業だろうが、新しいビジネスを起ち上げようとする行為全般を指す。
Sony has had a kind of virtual reality ventures and projects for many years.
ソニーは今までも何年にもわたり、仮想現実のベンチャーズとプロジェクト群をもっている。
(Financial Times FT News briefing)
Investors have slowly awakened to the realization that video streaming, as exemplified by Netflix, is a high-cost venture with lots of competition and no guarantee of a cash payoff.
投資家は、Netflixに代表されるビデオストリーミングが、高コストで競合が多く、キャッシュのリターンが保証されないベンチャーであるという認識を覚えつつある。(現時点での Netflix がスタートアップと認識されているわけがない。)
(The Information, By Martin Peers · Thursday, Feb. 10, 2022)

ベンチャー企業/弁ちゃあ企業

管理人は、日本人が発する、この言葉の意味を、寡聞にしてよく知らない。
英語の a venture firm はスタートアップを意味せず、必ず投資側を指す
そして、a venture firm という表現は、英語媒体では頻繁には使用されない。
下記の文章で出てきたa venture firm を「ベンチャー企業」と訳してごらんなさい、わけがわからなくなるから。

His venture firm asked me to come by and help Steve with his “positioning.”
彼 (スティーブという名のスタートアップの創業者)に投資をつけていたVCがやってきて、(著者のブランク氏に)スティーブの「ポジショニング」について手を貸すように依頼してきた。
Blank, Steve. The Four Steps to the Epiphany. K&S Ranch. Kindle Edition.

Yコンビネーターというタイトルをもつ書物が邦訳されたとき、翻訳者がスタートアップをことごとくベンチャー企業と訳して(たいへんお疲れ様です、私にはようできません)結果としてポール・グレアム氏のダジャレ
to start a startup/スタートアップをスタートする
が意味不明になっていたのが、かわいそうすぎた。

[マ]

マーケットイン/まあけっといん

どこぞの田舎者が開発した和製英語。定義があいまいすぎ、現場に混乱をもたらすため、大迷惑。
定義があいまいなのは、例えば、
①菅前総理の御前会議で議論され、農林水産省まで指示として落ちていった「マーケットイン」
②伊藤忠商事の岡藤氏が重要性をたたえて連発する「マーケットイン」
この二つの「マーケットイン」は、おそらく、議論している人の中で、全く異なる意味づけをされていると思われるから。
確実に言えるのは、
マーケットイン≠リーンスタートアップ
あのさ、お客様第一で念入りに市場調査してから事業開発に取り組むって、典型的な
線形プロダクト開発
であって、リーンスタートアップでは全然ないですからね。
でも、偉い経営学者のセンセたちはどうせこれを「マーケットイン」と呼ぶんでしょう?
その意味では同じ和製英語でも誤解を呼ばない「ベッドイン」のほうが、はるかにマシなのではないか?
「勇者ライディーン」に登場するとき、主人公アキラが「フェードイン」していたが、これは管理人はセンスあると思います。

[ラ]

ラーメン採算性/Ramen Profitability

創業者たちがカップラーメンを食べていれば何とか食べていける売上を継続して立てていること。
おそらく、Yコンビネーターの創業者ポール・グレアム氏による造語。
Airbnbは、Yコンビネーターのバッチ3か月の間に、このラーメン採算性(月間売上40万円)まで売上を伸ばした。

[リ]

リーンスタートアップ/The Lean Startup Method

リープフロッグ/a leap frog

そのサービスが浸透していない地域に、一足進んだサービスをランチすること。
有名な例は、固定電話網が全く発達していないアフリカでブレイクした Vodafone と Safaricom 提供のペイメントサービス M-PESA や、グラミンフォン。

[ワ]

Yコンビネーター

世界最強のシードファンド。