事業開発力診断 結果

全て選択しなかった方は大正解! 各問の解説をご確認下さい。

Q1. マーケットリサーチ(市場調査)によって、新規に開発する事業の市場を見積もることができる。

不正解。

「マーケット・リサーチは過去を分析することに長けている」(リーンスタートアップ運動の嚆矢、スティーブ・ブランク氏) 事例の少ない事業を正確にマーケットリサーチすることはできませんし、過去、大成功を勝ち取った、前例のない/少ない事業は、いったん生み出されて軌道に乗れば、市場を自分で創出していく形でスケールしています。 例:Nikeの誕生前、米国の大都市をジョギングしていると、「なんと酔狂なことをしているのだ」と飲み物をひっかけられました。その当時、Nikeが市場調査を行っていたら、絶望的な結果しか得られていないでしょう。

Q2. 無償のPoCにより、その事業の成功の度合いを測ることができる。

不正解。

無償のPoCは、ゴミデータしか生みだしません。 理由①:PoCは成功したが事業は失敗したとなるのは、フリーランチなら享受してもよいと思っている程度の、本気度の低い顧客のみが参加するからです。 理由②:PoCに参加する顧客は、無償であるがゆえに、サービスに不満足な真の理由を、サービス提供側に遠慮して、率直には語りません。 例:スーパーの試食コーナーで無償で試供品を食べさせてもらった顧客は、たとえそれがひどくまずくても、決して「まずい」とはいわないでしょう。

Q3. 新規事業は最初のアイデアが重要で、スジのいいアイデアかどうかが、勝負である 。

不正解。

事業アイデア誕生時、関係者/業界の人間にボロボロにこきけなされた大ヒット事業は枚挙にいとまがありません。 ex. パーソナルコンピュータ, iPhone, Amazonマーケットプレイス, スターバックス, テスラ, Spotify, Airbnb, ビズリーチ, SnapChat 逆に、セグウェイのように、アイデア誕生時は絶賛され、結果として全くスケールしなかった事業の事例も多々あります。

Q4. 成功事例を調べてその例にならえば、大ヒット事業を創れる。

不正解。

過去の大ヒット事業は、必ずと言っていいほど、全く成功事例のないドメインに生まれています。 ex. Amazon.com, スターバックス, テスラ, Airbnb 逆に、成功事例があるということは、すでに成功したプレイヤーが市場のメジャーな部分を占めており、そのプレイヤーたちに追いつき、追い越すのに、とても骨が折れることが最初から分かっている、ということです。 すなわち、 「成功事例がある市場に参入する」 =「最初から、レッドオーシャン and/or 早晩サチる市場で厳しい戦いを強いられることを自ら選び取っている」 ということにほかなりません。 「競合に小ばかにされる事業を創り出せたら、相当のアドバンテージだ」(YコンビネーターCEOマイケル・サイベル氏)

Q5. PMF(Product/Market Fit)は、KPIをはかることで達成したかどうかを測ることができる。

不正解。

「PMFとは、事業がプラスのキャッシュフローをどんどん生み出しているがゆえに、PMFに到達したかどうか考えている時間がないほど、殺人的に忙しい状況である」(Yコンビネーターのパートナーたち) 「PMFに到達したかどうかを(私を含めた)誰か第三者に確認しているようでは、その企業は絶対にPMFに到達していない」(エリック・リース氏)

Q6. 事業アイデアを社内で念入りに壁打ちすることで、その事業が成功する確率が高まる。

不正解。

社内でいくら壁打ちしても、顧客の本音は全く得られません。加えて、社内で壁打ちに揉まれれば揉まれるほど、事業開発者は自らのアイデアに余計にほれ込み、顧客の反応にかかわらず、その企画を何としても実現しようとし、その結果失敗していきます(IKEA効果)。

Q7. DXを進めていけば、事業が成功する確率は高まるから、DXの動向を調べておくことは有効である。

不正解。

DXの成功と事業の成功は全く無関係です。DXの推進そのものを目的にして、事業アイデアが陳腐化し、DXそのものが目的化したことで、収益を生み出せない例が沢山あります。 顧客サービスのDXに成功し、事業に失敗した事例:エンロン、フォード、FTX

Q8. リーンスタートアップとは、アジャイル開発のことである。

不正解。

リーンスタートアップメソッドを初めて体系化したエリック・リース氏は、自らがCTOとして参加したスタートアップ “IMVU” のサービスを最初スクラムで開発して大失敗、危うく倒産させかけました。また、氏は、自著The Lean Startupで、アジャイル開発で進めた事業開発がうまくいかなかった事例を数例挙げています。

Q9. MVP (Minimum Viable Product) とは、ワイヤーフレームなど原始的なプロトタイプを意味し、未成熟なので、顧客に提示するとしても必ず無償で提供する必要がある。

不正解。

プロトタイプ以外のMVPには、説明ビデオ/クラウドファンディング/手動オペレーション……などなど、数多くの種類があります。 また、顧客に、プロトタイプ型MVPを提供する場合は、どんなに稚拙なものであっても、必ず有償で提供することが必須です。 「MVPは事業開発開始から最遅でも一か月以内に製造し、ASAPで課金しろ」(YコンビネーターCEOマイケル・サイベル氏) その際、プライシングは、常に強気に行います。 「創業者自身が戸惑うくらいの高価格、競合より高い価格で、(MVP段階から)サービスを提供しろ」(YコンビネーターCEOマイケル・サイベル氏) 例:テスラのMVPは、一台一千万円の、初代 Roadster でした。当時の技術、特にバッテリー技術はまだまだ未熟で、シャーシは、他の自動車メーカから買ってきたものでした。

Q10. できあがった事業をより売れる形にするのが、マーケティングと営業の役割である。

不正解。

事業企画の時点で顧客にとって魅力のないサービスは、マーケティング費用をかけても、営業がごり押ししても、大ヒットは決してしません。 「マーケコストはプロダクトの物足りなさや他社との差別化が足りない現実の税金とも言えるかもしれません。」(Coral Capital CEO ジェームズ・リネイ氏が、Twitterで) モトローラの衛星電話事業イリジウムは、ハリウッドスターをCMに起用するなど、世界の大手PR会社を使って莫大な費用を投じて大々的に広告活動を行いましたが、サービスローンチ後、半年強で、チャプター11を申請する大失敗となりました。 Zoomは、日本の参入のとき、はじめて顧客にアピールするためのスライドを作成しました。それまでは、売込の営業はおろか、顧客企業の担当者にアピールするためのプレゼンを行ったことすらなかったのです。
このように、新規事業開発の原則は、 Yコンビネーターの創業者ポール・グレアム氏も指摘する通り、いちいち直観に反するものです。 このページの解説では納得がいかないという方は、お問い合わせいただければ、 無料で解説動画をプレゼントいたします。